『豊かな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する-このことを可能にする社会的装置が“社会的共通資本”である』(宇沢弘文「社会的共通資本」岩波新書)
当財団は、この「社会的共通資本」の考え方に基づき、良好な空気・水資源等(自然資本)を備え、上下水道・道路等(社会資本)が整備され、人間として不可欠な教育や医療等(制度資本)が十分に享受できるような社会の実現を目指す。具体的には、地域に即した産業づくりや都市や農山漁村の地域づくり、それら地域の連携と融合、医療・福祉・教育のあり方等を総合的に検討する。
また、社会的共通資本は、各分野における職業的専門家の専門的知見に基づき、管理運営されるが、そこから生み出されるサービスが地域住民に帰属されるために、地域住民との『共働』を基礎とするものでなくてはならない。当財団は、職業的専門家と地域住民の両者の立場から活動するだけでなく、両者の仲介者的存在としても活動する。
あわせて、グローバル化の社会のなかにあって、当面、島根県の友好交流自治体(韓国慶尚北道、中国寧夏回族自治区、ロシア連邦沿海地方、中国吉林省)を中心に、国際交流を主眼とする留学生の支援事業を展開し、ローカル(地域)とグローバル(国際)を合せた「グローカル」的な研究を実施する。
(平成21年度事業計画書より抜粋)