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◆歴史的文化財の破壊と談合疑惑 -1 2008-09-02 

※この文章は、当財団理事長の山根治が自身のブログにおいて公表したものを、転載したものです。

 談合(だんごう)についての取締りが厳しくなり全国的に摘発されるケースが多くなってきました。私の住んでいる島根県は、国会議員だけでなく、県議会でも市町村議会でも保守勢力が圧倒的多数を占めており、長年保守王国の名をほしいままにしてきました。批判勢力の声はほとんど無視され、保守勢力による傍若無人の振舞いは目に余るものがありました。
 談合についても、当然のこととして横行し、談合に直接かかわる業者はもちろんのこと、役人や政治家にも罪悪感はほとんどない状態でした。役人が入札予定価格を業者側にこっそりと教えることは、公然の秘密であり、口利きをした政治家などにワイロが渡されるのも当たり前のような状態だったのです。役人とか政治家は入札に便宜を図り、その見返りを受け取るのは役得(やくとく。その役目についている人の余禄として入る、特別の収入や利益、-新明解国語辞典)と思い込んでいる人達が多くいたことは紛れもない事実です。30年余り、この保守王国の中心地で会計士業務をしていますと、当事者から否応(いやおう)なしに耳に入ってきますので、単なる噂話ではありません。

 ちなみに、このところ逮捕者が出たりして何かと話題になっている大分県の教員採用試験にからむ口利き料(ワイロ)について言えば、この島根県で横行しているワイロの実態に較べますと、大分で摘発されたのが気の毒に思われるほどです。採用については、建前としてはもっともらしい採用試験があるのですが、相当数が縁故によって決定され、その内のかなり多くについて、口利き料の授受がなされているのは衆知です。
 教員だけではありません。県とか市町村の職員採用にからむ口利き料は、さきに述べた談合と同様、公然の秘密となっているもので、当事者もさほどの罪悪感を持ってはいないようです。大分でワイロと認定された10万円とか20万円の商品券などは、島根の場合ですと、仮に謝礼として持っていっても突っ返されますし、お金にしても50万円や100万円では突っ返されます。300万円から500万円が口利き料の相場とされているようです。島根県教育委員会は、教員の採用に関して、合否の情報を正式発表の前に議員とか地元有力者に教えたことまでは認めたものの、
「金銭のやり取りはなかった」
などといって口利き料の存在を否定していますが、シラジラしい思いをしているのは私だけでしょうか。

 談合にからむワイロにしても、あるいは職員採用にからむワイロにしても、いちいち気にしていてはキリがありませんので、これまでは傍観してきました。公共工事が地域の主要な仕事であり、民間での働き場所が少ない地方にあって、公務員になることは生涯にわたって安定的な生活が保証されることを意味しますので、それにからんで多額の裏金が闇から闇へと飛び交うのも一つの現実かもしれません。
 これまでは苦々しい思いをしながらもこのような不正行為は聞き流してきました。ところが、
「またやっているのか。」
といって黙って放っておくことができない情報が入ってきました。それは、松江市が企画する松江市歴史資料館の建設にからむ談合情報でした。この建設工事でツンボ桟敷(さじき)におかれた、建設業者のウラミ節といったところです。この建物自体、本当に必要なものであるのかどうか極めて疑わしいものですが、それ以上に問題なのは、建設予定地に歴史的文化財が埋っていることです。発掘調査が進むにつれて、専門の学者が驚くような貴重な遺跡であることが判明。ところが、文化財保護法に基づく発掘調査が終らないうちに、遺跡を破壊することを前提とした建設工事の入札が実施され、建設業者が決ったというのです。しかも、その入札に不正があったという情報でしたので、
『松江市は一体何をやろうとしているのか』
という思いが募り、埋蔵文化財の発掘状況とならんで、不正談合情報の真偽について確認してみることにいたしました。


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